Mikura Labor & Social Security Attorney Office
みくら社会保険労務士事務所
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令和6年6月6日
5月24日、育児介護休業法の一部改正が可決・成立して、同月31日に公布されました。
【特設ページ】令和6年度改正育児・介護休業法 (mhlw.go.jp)
今回の改正は、子供の年齢にあわせた柔軟な働き方を実現することが大きな目的とされています。主な改正事項としては、次のメニューで構成されています。
① 柔軟な働き方を実現するための措置
【対象者】:子供が3歳以上小学校入学までの期間
【対象措置】:「始業終業時刻の変更」 「テレワーク等」「保育施設の設置運営」
「新たな休暇制度」「短時間制度」のなかから2つ以上を選択
② 子の看護「等」休暇の制度拡充
【対象者】:小学校入学⇒小学3年生の年度末まで
【取得理由】:子供の看護に加えて「感染症にともなう学級閉鎖等」
「入学(園)式、卒業(園)式」を追加
【除外規定】:勤続6か月未満の労働者の労使協定除外の仕組みの廃止
※介護休暇も同様
③ 所定外労働の制限の対象者
【対象者】:3歳未満⇒小学入学未満に拡大
④ 3歳未満の短時間勤務制度
労使協定で適用除外者を設ける場合の代替措置に「テレワークを追加」
⑤ 育児休業の取得状況の公表義務
【企業規模】:1,000人超⇒300人超に拡大
改正施行日は、多くが令和7年4月1日ですが、詳細はこちらに掲載されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
あわせて次世代育成対策推進法も改正されました。もともとこの法律は令和7年3月31日までの時限措置法だったのですが、10年延長(令和17年3月31日)されました。
個人的には「②子の看護休暇」に関する改正に興味があります。
就業規則(育児介護休業規程)のご相談で、子の看護休暇制度をどういう状況で利用すればよいかイメージがわかない、と質問を受けることがあります。
中小企業では無給にしているケースも少なからずあるため、欠勤と同じ結果になるのではないか、ということのようです。
あくまで法令や会社のルールに基づいて取得する休暇制度なので、査定や人事考課に影響する勤怠不良(欠勤・遅刻早退)とは質的に異なるのですが、賃金が控除される点は同じなので、結局有給を充ててしまう運用も見受けられます。
有給扱いにするのがわかりやすいのでしょうが、企業側からすると本当に育児を目的にした休暇なのかを客観的に確認することも難しく踏み切れないのが実情のようです。
細切れに取得することが想定される休暇制度に対して育児休業給付のような制度を設けることも現実的ではなく、今回のような改正で取得状況を改善していくことぐらいしかできないでしょうか。
子の看護休暇制度も含めた育児介護休業制度の統計資料が定期的に厚生労働省のサイトにも公開されています。あわせてご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-23c.html