令和6年5月8日
令和6年4月より労働安全衛生法の政省令が改正されています。化学物質規制の強化が順次進められていきます。
背景としては、化学物質を原因とする労働災害の8割が規制対象外の化学物質によるものであったことがあげられます。
厚生労働省では昨年4月より新たな化学物質規制を導入しており、今回の改正では234物質について規制対象を追加しました。
企業(事業者)に求められる化学物質管理としては、危険・有害物質に関する情報について、製品のラベル表示や安全データシート(SDS)から確認する必要があります。
そして、その中よりリスクアセスメントを実施する必要がある化学物質があるかを確認したうえで、リスク低減措置を実施する対応が求められます。
リスクアセスメントの対象となる化学物質を製造、取り扱い、譲渡・提供する事業者は、組織の体制整備のために新たに「化学物質管理者」と「保護具着用管理責任者」の選任が義務化されます。
加えて、衛生委員会の付議事項として、濃度基準値設定物質に関する事項やリスクアセスメントの結果に基づくばく露低減措置に関する事項も追加されます。
これらの項目について記録の作成と保存についても、あわせて求められます。
リスクアセスメントに関する労働安全衛生法の取り扱いについては、平成28年より義務化されて以来、対象物質を順次拡大してきているところですが、さらに令和7年4月には約700物質、令和8年4月には約850物質を追加する改正が予定されています。
リスクアセスメントの対象事業者は企業規模や業種に関係なく適用されます。製造・販売だけでなく譲渡・提供する企業も含まれるため、清掃業、卸売・小売業、飲食店、医療・福祉業等、幅広い業種が対象となる可能性があります。
改正の概要やを下記関連サイトからも確認しておきましょう。
https://chemiguide.mhlw.go.jp/