令和6年2月7日
厚生労働省は、先月、令和6年度の年金額を公表しました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000191631_00018.html
公的年金は毎年4月に改定されますが、改定に用いる統計(全国消費者物価指数)が1月に公表されるため、この時期に新年度の年金額も発表される慣行です。
令和6年度の参考指標は次の通りです。
物価変動率>名目手取り賃金変動率の場合、名目手取り賃金変動率(+3.1%)を基準に年金額を改定するルールとなっています。これは公的年金の財政方式が賦課方式を採用していることを考慮して、現役世代の負担能力に応じて年金額を改定する仕組みになっているためです。
加えて、現在の年金額は、物価変動率や名目手取り賃金変動率とは別に「マクロ経済スライドによるスライド調整率」という数値も反映して改定することになっています。
マクロ経済スライド調整率とは、公的年金の加入者数(被保険者数)と平均余命の伸び率(受給者数)をもとに、その比率を年金額に反映させる仕組みです。
今年度のスライド調整率は▲0.4%となりました。
したがって今年度の年金額は、昨年度の年金額を比べて+2.7%となります。
さらに昨年度より68歳未満(新規裁定者)と68歳以上(既裁定者)とでは年金額に差異が生じるようになったため、今年度の老齢基礎年金は新規裁定者が月額68,000円に対し、既裁定者は67,808円となります。
昨年度の名目手取り賃金変動率は+2.2%と物価変動率(+1.9%)を上回りましたが、今年度は物価変動率を下回りました。昨年は物価高に苦しんだ1年だったと改めて感じます。
全国消費者物価指数の詳細はこちらで発表されています。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei08_01000274.html