令和4年11月9日
近年のネット求人サイトの活況によって職業紹介と募集情報等提供事業の境界線があいまいな状況が生まれていることを踏まえて10月より職業安定法が3点改正されています。
ひとつは、「職業紹介」と「募集情報等提供事業」に区分定義に関する新たな指針が示されたことです。
指針では、自ら募集情報等提供事業と謳っていても次の3つのケースが職業紹介にあたること示しています。
複雑な表現ですが①~③について具体例があり、例えば、求人者と求職者の間に入って面接の日程調整に介入したり、具体的な労働条件を示したうえでマッチングを確約するのような説明や広告宣伝が見受けられると「募集」を超えた「職業紹介」にあたる、という例示を示しています。
職業安定法における「職業紹介」と判断されれば、職安法に定める許可を受けなければなりません。
ふたつは、募集情報等提供事業者の範囲が拡張された点です。具体的には職業安定法第4条第6項の第1号から第4号で区分定義されるようになりました。
さらに、募集情報等提供事業者のうち、求職者に関する情報を収集している募集情報等提供事業を行う会社を「特定募集情報等提供事業者」といい、これに該当する事業者は届出と事業報告が義務付けられることになりました。
ふたつの改正は募集情報等提供事業の規制強化にあるわけですが、事業者が前向きに取り組むことを期して新たに導入したのが3つめの「優良募集情報等提供事業認定制度」です。
法令遵守、個人情報保護、募集情報等についての的確な表示、苦情相談対応などについて、一定の条件をクリアした募集情報等提供事業者について厚労省や運営団体のサイトに掲載する優遇措置です。
今年度は上記職安法の第4条第6項の第1号に該当する事業者のみ申請が可能となり、来年度以降は第2号~第4号に該当する事業者も申請が可能となります。