Mikura Labor & Social Security Attorney Office

みくら社会保険労務士事務所

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賃金・賞与・退職金

 こちらは、賃金と退職金に関するページです。労働時間とならび労務管理の柱が賃金・退職金といってよいでしょう。労働者にとっては生命線でもあるため、決まり事も多々あります。

 会社と社員が紛争した場合、表層的には採用や退職、配転等を巡る問題であっても、実は争点が賃金をめぐるものであるケースは少なからず散見されます。

 要点を採りあげてみたいと思います。 

 賃 金

 賃金とは「労働の対償」という難しい表現で労働基準法では定義しています。

 昔風にいえば「働かざる者食うべからず」といったところでしょうか。

 基本給や残業代、家族手当などの諸手当が、通常、賃金となります。

 会社が社員に支払ったものが「賃金」に該当するかどうかは非常に大事なポイントです。なぜなら賃金に該当すると支払いに関する「5原則」に沿った扱いとなるからです。5原則を挙げてみましょう。

  1. 通貨で支払うこと 
  2. 直接本人に支払うこと
  3. 全額を支払うこと
  4. 毎月1回以上支払うこと
  5. 一定の期日に支払うこと

 御社の賃金台帳や経理資料を一度精査して整理をしてみるのも気付きにつながるかもしれません。

 賞 与

 賞与、いわゆるボーナスは賃金とは別に支給される特別手当の性格を持ちます。

 もともとは夏と冬(盆暮れ)の季節の変わり目でかさむ生活費用を補償する意味合いで支給されていたともいわれています。

 通常は「基本給の〇か月分」といった設定をしていると思いますが、近年は会社の業績や本人の成績で査定する企業も多くなり、両者を合わせた形もあったりと支給の目的も変わってきているように見受けられます。

 賞与も賃金の一部であり、したがって支給条件などを賃金規程に載せるのが通例です。支給日在籍要件と業績によって不支給になる場合は、その旨を記載しておくことが大事です。

 支給日在籍要件については、賞与にかかる査定期間には在籍していたものの、支給日時点で退職している場合、規程化されていないと支払を請求されることもあり得ます。

 「基本給の〇か月分」とだけしか記載されていなければ、社員は業績に関係なく支給されるものと思い込んでしまうかもしれません。

 臨時の生活費や住宅ローンなどの支払いを賞与を当て込んで生活設計している家庭も少なくありません。とくに年収に占める賞与の割合が高いケースは、後々トラブルにならないように制度設計を明確にしておくとよいでしょう。

退職金

 退職金の性格は、在職中の貢献に対する功労報奨的なもの、退職後の生活保障的なもの、在職中の賃金後払い的なもの、と諸説あります。

 退職金の支払額や支払方法は、通常「退職金規程」で定めている会社が多いと思います。

 一時的に多額の資金を要するため、準備にあたっては外部機関を使った積立方式を採用するのが一般的です。ここで注意が必要なのは実際に支払う退職金が外部機関から支払われる金額でまかなえているかどうかです。不足しているときはその差額についても会社は支払い義務が残ります。

 自社の退職金規程の内容がどのようになっているか、実態把握をお勧めします。